危険概念とスペースコレクション保険
事前の偶発的入用を充足する費用を準備するために用いる統計資料は、常に過去のある期間の統計資料を利用することになります。
そのため、過去のスペースコレクション保険事故(危険)発生率が将来においても同様であるか否かを予測していかねばならないという責務を保険者は負担することになるのです。
なぜなら、スペースコレクション保険事故発生の予測を謬ることは、保険事業経営に重大な影響を与えることに通ずるからです。
そこで、我々は保険の対象となる危険とはいかなるものか、から検討していきましょう。
危険をいかに正確に定義すべきかという研究は、保険学者やリスク・マネジメント学者に限らず、数理・統計学者はもちろんのこと、経済学者、経営学者、会計学者、そして広く実務者間において行われています。
ただ、都合の悪いことに、我々がことばとして「危険」という場合、会話の内容から危険のもつ意味をある程度理解できます。
しかし、文字で危険とだけ表現された場合には危険のもつ意味をまず脳裏において整理し、個々の場合に適合させるべく解釈していかねばなりません。
数理・統計ではかかる作業を簡素化するため、目的とする危険をある記号に変えて論旨を展開するという手法をとるのです。