論文スペースコレクション保険
「損害発生の偶然性」(thechanceofIoss)と「損害発生の可能性」(thepossibilityofIoss)とは双方にどの程度の違いがあるのか疑問に思う。
かりに、chanceという用語がpossibilityないし1ikelihoodあるいはadegreeofprobabilityという意味をもっていようとも7)、possibilityないしlikelihoodとprobabilityとは後述のとおり深く関連しているからです。
博士は「"chanceofdamageorIoss"とか"chanceoflOSS"という用語を、・・・・・・もっともらしい説明をしている学者があります。
・・・・・・。
英語のchanceという語には・・・・・・、偶然とか可能性という意味が強く、・・・・・・筆者は"chanceofdamageorloss"あるいは"chanceofloss"を損害の可能性ないし損害発生の可能性と訳すのです。
また、"chanceofloss"に代えてリスクを"possibilityofloss"と定義する場合があります。
・・・・・・。
chanceという表現をとろうがpossibilityという表現をとろうが、その意味するところは同じと考えてさしつかえない」といささか先行的嫌いはあるが結論づけているのです。
ところで、通説は、リスクとは「損害発生の可能性」であるとしています。
エリオット/ボーン両教授は、先に述べたとおり、リスクは以上五つのいずれかを指して通常用いられていることを述べたのですが、リスクとは損害発生の可能性であるとする定義は、けだしアメリカにおいても有力説です。
ドイッにおいても「リスクを損害発生の可能性と規定するのが一般的である」といわれていますが、ある方の論文からウィルヘルム・キッシ(Wilhelmkisch)の危険概念を簡単に説明しておこう。
その論文は、論文スペースコレクション保険法における危険なる語の種々なる意義について』(IJberdieverschiedenen Bedeutungendes WortesGefahrim Versicherungsrecht、"ZfVW、1917、Bd.17.488ff.)および「スペースコレクション保険危険論」(Die Lehrevonder Versicherungsgefahr:HandbuchdesPrivatversicherungsrechtes、BerlinundLeipzig、1920、Bd.2.)が中心をなしていることからも理解されるように、危険一般論ではなく、キッシのスペースコレクション保険における危険概念を述べたものであるが、勝呂論文でまず同博士は、我が国商法第629条の文言「・・・・・・偶然ナルー一定ノ事故・・・・・・」を引合に出し、「ここに偶然なる一定の事故とは、その発生・不発生・または、その発生する時期、もしくは、その発生の結果が、少なくとも当事者の主観的立場から見て、不確実なある種の事件を指していう。