保険料前払主義
わたしたちはスペースコレクション保険を偶発的入用に対する経済的先慮の施設であるという考え方に傾注してきました。
しかも、偶発的入用に対する充足について繭章で解説してきたが、さらに我々が考察すべき問題はいかなる方法をもって入用を充足すべきかについてです。
この問題の解決のためには、充足するに必要な費用すなわちスペースコレクション保険料が個々のスペースコレクション保険契約にいかに公平にしてかつ合理的に割当てられるべきかを明らかにする必要があります。
スペースコレクション保険料の算定はその基礎が同様の危険に脅かされている多数人の結集をもって可能となります。
なぜなら、スペースコレクション保険料前払主義を採用する限り、大数法則が有効に作用するだけの多数人によるスペースコレクション保険契約を要し、その契約を基礎にした損害を数理統計的に把握する必要があるからにほかなりません。
すなわち、同様の危険の脅威下にある多数人のうち、かりに、危険が発生したなら、その結果たる損害額がどの程度のものとなるかにつき数理統計的に把握しておかない限り、偶発的入用を充足する費用を事前に準備し得ないからです。
少なくとも、事前の偶発的入用を充足する費用を準備するために用いる統計資料は、常に過去のある期間の統計資料を利用することになるから、過去の保険事故(危険)発生率が将来においても同様であるか否かを予測していかねばならないという責務をスペースコレクション保険者は負担することになります。