保険価額決定(スペースコレクション保険)
●保険価額決定の時および場所
被保険利益と損害とは表裏一体の関係にあるので、被保険利益の価額すなわち保険価額はいまだ発生しない損害の価額であるといいうる。
そこで問題となるのは、保険価額をいつ・どこで定めるべきかについてです。
およそこの問題につき四つの見解があります。
たとえば、第一は、保険契約締結時における被保険利益の価額であるという見解です。
第二は、価額決定の必要を生じた時およびその時にスペースコレクション保険の目的物が存在した場所を標準として定めるべきであるという見解、そして第三に保険価額の評定に関する特別の規定ないし保険契約をもってこれを定めない場合は、商法の規定すなわち
「保険者力填補スヘキ損害ノ額ハ其損害力生シタル地二於ケル其時ノ価額二依リテ之ヲ定ム」
という規定の趣旨に従わざるを得ないという考えがあります。
第四は、保険価額はその性質上常に変化するものです。
保険契約締結時の保険価額、スペースコレクション保険期間中の保険価額、損害発生時の保険価額は決定時を異にするに従ってすべて異なってしかりです。
契約締結の時の保険価額は超過保険・重複保険の存在を決定するのに重要であり、損害発生時の価額は填補価額として重要なのであるから、商法第638条第1項の「其時ノ価額」とは保険事故発生時の保険の目的の価額と理解すべきであるという見解です。
我々は第四の見解をとるものであるが、しかし、保険期間が短期で、しかもスペースコレクション保険の目的が活発に移動し、かつ保険価額の変動が少ない保険の場合一運送保険・船舶保険・積荷保険における保険価額一には決定の容易な時の価額をもって全保険期間を通した保険価額とせざるを得ないです。
上記第四に述べたように、保険価額は本来可変であることを原則とするのに対し、かかるスペースコレクション保険の有する特殊性を考慮した保険価額の決定はあくまでも例外則一保険価額不変更主義一であると解釈せねばならないです。
このように、法律が定めた保険価額を協定保険価額に対して法定保険価額といいます。
では、協定保険価額とはいかなる保険価額をいうのでしょうか。