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評価基準

●保険価額の評価基準
被保険利益すなわち保険価額は被保険者とスペースコレクション保険の目的との利害関係を金銭で評価したものだが、これを評価する基準を何処に求めるかは主観説をとる者と客観説をとる者とで論議が分かれます。

主観説をとる者の主張は、被保険利益が被保険者の有する主観的利益なることを是認する以上は保険価額も主観的価額であるというのです。

いまここで佐波宜3'授に対する北村五郎教授、椎名幾三郎教授、加藤由作教授との間でかわされた保険価額論争の要点をあげておこう。

佐波教授は保険価額をつぎのように説論したのです。

すなわち、「法規が保険価額として意味するものは・・・・・取引価格として存在しないところの一般的客観的な価格です。

・・・・・常に一般的な場合を規定しようとする法規としては、このことは一応正しい・・・・・。

けれども一般的客観的価格なるものは、事実上具体的に存在するものではないです。

・・・・・一般的客観的価格は抽象的概念の世界にのみ存在するもので・・・・・,(保険価額は)保険契約という具体的契約によって定められるところの現実の・・・・・取引価格」であるといいます。

換言するならば、客観的価額は一般的抽象的概念の世界のもので、保険価額のように保険契約という具体的場合には存在しえないから、契約当事者間で任意に協定できるというものです。

佐波教授のこの主観説に対して、北村教授は損害保険における唄補は客観的損害の唄補にあり、客観的損害の限度を超えた填補を許容するならば損害保険の在り方を無視するだけではなく、大数法則の適用それ自体をも困難とすると述べたのです。

この北村教授の主張に補足する形で椎名教授は「客観的な保険価額と被保険利益を客観的に評価して得られる価額で・・・・・、損害保険契約は損害の填補を目的となす契約で、被保険者の損害は彼の利益の減少又は滅失により発生するもので、価額は被保険者を離れて算出すべきものではないです。

・・・・・保険価額は保険契約者の意思によって左右されず、その独自の存在を有する。

」と主張したのです。

そこで加藤教授は、損害保険は一種の損害賠償であるとして双方の学説の妥協点を見い出そうと試みたものだが7),「客観主義的研究を打ちこわすことであって全くの蛇足であるといわねばならないのです。

」という批判をかえってあびたのです。

かかる論争を契機として、今日では、保険価額決定の標準を客観説に求めることが通説となっているのです。

しかも、主観説か客観説かについて裁判所も「保険価額ヲ定メニルニアタリ主観主義ヲ採リ、専ラ所有者ノ為二存スル経済的価値ヲ以テ決スルトキハ超過保険ノ実ヲ生ズル虞アルノミナラズ、少ナクトモ被保険者ハ保険二因リテ利益ヲ得ルノ結果ヲ生ジ、従ツテ種々ノ弊害ヲ生ズル虞アルヲ以テ、保険価額ハ宜敷客観的観念二依ル価額ヲ計算シ之二準拠シテ決スルヲ原則トスベク、保険契約者ノ主観的観察二依ル価額ヲ以テ決スベキニアラズ」と客観説をとっているのです。

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