コラーゲンの配列
傷痕の組織を一部切り取って顕微鏡で眺めてみましょう。
組織を薄く切り、ヘマトキシリン・エオジンという色素で染色すると、ピンクに染まるのがコラーゲンで、紫に点々としているのが細胞の核です。
また、縦切りや横切りにされた毛細血管も所々に見えます。
健常な真皮では、竹細工の編み籠のように整然と配列していたコラーゲンの束が、癒痕組織の中では乱雑に入り乱れているのがわかります。
これがケロイドでは、コラーゲンの配列はさらに乱れ、まるで毛糸玉をひっくり返したような像を呈します。
上をおおっている表皮を比較すると、健常な皮膚でも癩痕でも、永久脱毛 をしている皮膚でもあまり変わりません。
基底層、有棘層、穎粒層、角質層などの重層構造が保たれています。
基底層と真皮の境は、乳頭のように波打っているものですが、疲痕組織ではそれがいくらか平坦になっている程度です。
したがって健常な皮膚と癩痕が違って見えるのは、表皮の差ではなく、表皮を透かして見えてくるコラーゲンの配列の違いとされています。